じゅて~む エッセイ編 第123夜「わがカツは熱いうちに食いほし☆」

【あらすじ】

新宿―。

1人の男がカウンターでグラスをくゆらせている。

男の名は達太。

いたって平凡な、一日5食を平らげる、朝からカツ丼を食べる、会社員だ。

歳は39歳といったところか。

達太は昼にカツカレーを食べ、夜にカツ丼を食べるはめになっても、

文句ひとつ言わない男らしさを持っていた。

「俺、昼もカツだったんだよね」

そう口にするのを控えているわけではない。

忘れているわけでもない。

毎日、1日のうち2食をカツが占めている、それだけのこと・・・。

このエッセイは、その達太が、日曜に退屈しのぎに、プロのエッセイストと言い張って書き綴っているエッセイ・・・。

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ご相伴に預かりました、達太です。

39歳会社員、日曜はエッセイスト。

だが、ここしばらくは日曜のエッセイをサボっていた。

プロ失格?

いや、まだプロだ。ありがたいことだ。

富山県射水市シン片町―。

俺の住む町。

あらすじに「新宿―」とあるが、言いたかっただけだ。

新宿のバーカウンターを想像しただろう?

さんきゅう。じゅて~む。

実は俺はラーメンチェーン店でグラスをくゆらせていたんだ。

ただのお冷だ。


じゃ、なんでくゆらせていたか。お冷に油が浮いているのだ。

海に廃油が浮き、水鳥が苦しむ・・・。

そんな深い話ではない。

だが、俺の唇に、ノリで買ったメンチの油が付いていたんだろうな。

だからお冷にうっすら油だ。

ラーメン屋に行く前にメンチをノリで?そう思った方もいるだろう。

ノリというか、あれだ、コンビニでお手洗いを借りるだろう?

そんなとき、人はガムやコーヒーを買うだろう、俺にとってそれがフランクでも肉まんでもなく、メンチだった。

しっくりきた。


さあ、ラーメンの話はやめだ!

みんなラーメンの話となると、とかく盛り上がる!だがやめだ!

ところで。パーコー麺が食いたいな。豚のトンカツサイズの唐揚げが乗っている。

で。俺はこれまで日本昔話や、洋モノの昔話に、度々お邪魔してきた。

お邪魔といっても、本当のお邪魔ではない、

参加して功績を残してきた。

だが。

オカルトの世界に功績を残して来ていない。

怖がりなの?

おい、バカ言っちゃいけない。

俺は現実主義なだけだ。

現実主義者だからこそ、教養を持ってして、浦島太郎やシンデレラや赤ずきんちゃんと懇意になった。違うか?


俺は河童になることに。

オカルト界のプリンス、河童なら、怖がりな読者も、そんなに怖くないだろう?


だが、ぬかった。

頭上の皿が割れたら死ぬ。

常に死と隣り合わせということ。

怖い、怖すぎる。怖がりな読者はもっと怖がってるんじゃないか?

俺が全身緑色ってだけでも怖いのに、皿が割れたら、大好きな達太が死んでしまう。

常日頃からメタボで血液ドロドロ、血圧最高の、一日800歩未満の、

死と隣り合わせの俺達太が、頭上にも死因を乗せることに。


しかも、河童の趣味は相撲。

これまでの俺の趣味はどうなる?

これまでの趣味のカツ丼と焼き肉食べ放題、女に薔薇を贈ることは、どうなる。

趣味を、まさか他人に設定されようとは・・・。

オカルト界、民主主義ではないとみた。


文句ばっか言っていても仕方が無い。

リサーチ不足ならいざ知らず、俺は承知のうえで河童になってしまって、このざま。

全身緑色、オケ。頭上に皿、オケ。日本の妖怪、オケ。

腹に溜まらぬきゅうりが好き、スルー。

相撲が趣味。尻子玉を抜く。オケ、オケ。


最後一個よくわからんが、承知のうえで河童になった。

これはもう頑張るしかない。

俺は頑張る。

「ねえ君、この皿っていうのを、やはりカツ丼にしてもらえないかな。

 悪いね。ああ、あとこのざる蕎麦っていうのも、一人前、頼むよ。」

誰に、何を頼んだかは、考えるな。

考えるな!


ほかほかほか・・・俺の頭上からカツ丼が香り出す。

気のせいか、頭頂部が温かい。

大好きだよ!

俺は叫びたくなる。

これで趣味の相撲でも負ける気がしない。

俺はきゅうり片手に、人間の尻子玉を抜きながら、誰が見ても河童の様子で土俵へ向かう。


「河童が異例の進化!カツ丼を頭に・・・!(富山県)」

来月の月刊ムーの巻頭は俺が頂く。

記者にパパラッチされるべく、俺は、至る所に出没することに。

2月中、俺は前述のような過ごし方をしていたんだ。

だからエッセイを書けてなかった。河童として水かきが邪魔で。

今は大丈夫。書けるようになった。急に。

嘘くさい?

「信じるか、信じないかは、貴女しだい。」


ところで。俺は河童になったが唇はクチバシになっていなかった・・・。

じゅて~む


追伸

次回は、河童として成長した俺が、三蔵法師さまと、孫悟空と一緒に天竺を目指します。

猪八戒も、俺です。

4人中、俺が2人いる西遊記が始まります。

猪八戒と沙悟浄が俺の西遊記が終わったら、次は

「ふぁ~すと・じゅて~む スラムダンク編」です。

俺が高校生に混じり、バスケで、シューティングガードの三井寿くんとキャラ被りしながら、全国制覇を目指します。

じゅて~む

【あらすじ】 N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、 架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。 そして、達太の外見は、39歳にして徳川家康公にそっくりであった・・・。

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