じゅて~む エッセイ編 第六夜
【あらすじ】
N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。
タイトルの「じゅて~む」は愛しているという意味だが、架空の男性・達太が主人公の小説「じゅて~む」からの引用でもある。
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まずは自己紹介から。
俺は達太。38歳。会社員。
子供向けアニメのアンパンマンに登場する「ジャムおじさん」というパン屋に似ている。
彼は白髪。俺は黒髪。だから黒髪のジャムおじさんを想像しておけば、間違いない。
ところが、だ。
先日給湯室から俺に関してパートさんらが噂しているのが聞こえた。
パートさんらは、俺がアンパンマンに似ているといって盛り上がっているのだ。マントがどうの、ほほの肉がすごい盛り上がっているだの、腹減っていてもアノ顔を食べる気にはならないだの、なかなかひねりの効いた会話をしている。
男は子供というが、女も子供だな。
子供アニメの話題で盛り上がるとは。
ちなみに、俺ら男だってアンパンマンの顔は食べない。
女以上に、空腹時に菓子パンは無い。
揚げ物メインの定食か麺物大盛りの一択だ。一部の丼物も。
でないと一食では足らず、結局は二食頂くことになり,、不経済。
話を戻す。アンパンマンの顔を一口食べることについて。
一口は残酷だ、実際の俺の顔を一口食べるよりも、残酷だ。
何でも一口食べると、もっと食べたくなる。ならない。いや、なるんだよ。
そして実際の俺の顔を一口食べる方が、やはり残酷だ。やめてくれ。
まあ、似てる似てないについては、同じ作者なら画風が同じだから、俺はアンパンマンの登場人物の全員に似ているのだと思う。
自分では信じられないが、ドキンちゃんにも、もしかして・・・?
本題へ。
創作する立場の人や、成し遂げたい事がある人の中には
「ゴッホにはなりたくない」
と考える人がいると思う。
俺もそうだ。
ゴッホにはなりたくない。
誤解しないで欲しい。
俺はゴッホが好きだ。
もしこのエッセイの読者の中に、ゴッホに近しい方がいたら謝りたい。くらいにゴッホは好きだ。
名古屋であったゴッホ原画展には、飛行機で赴いたほど。
観光なんて全然できなかったが、ゴッホの原画を観て、味噌カツとあんかけスパと手羽先と天むすを頂いて、本当にそれだけの旅行だっだったが、名物の小倉トーストやエビふりゃーすら食べなかったが、大満足だった。その位、ゴッホが好きだ。
だが、ゴッホにはなりたくない。
生きているうちに、
生きている間に、
小さい方のヒマワリしか見れないなんて、嫌だ。
ゴッホの真実はわからない。
大輪のヒマワリを知らなかったのか。知っていてそのつもりだったのに、用意をお願いしたらアレらが花瓶に挿されていたのか。
夏だ。
大輪の向日葵が見たい。
太陽の花。
俺はやはりゴッホにはなりたくない。
ヒマワリを描きたいんだが・・・と言って、アレらが用意されていたら意見できる人間になりたい。
なんか小さいし、真ん中まで細かい花びらで埋まってるし、色も夏の花とは思えない、何輪も挿したってことは後ろめたかったんじゃないの、
などとネチネチ意見できる人間でありたい。
ダークな一面を見せてしまったな。
それもありか。エッセイらしいか。
じゅて~む。
第五夜がひどかった分、一日にして急成長したようなエッセイになったな。
ははははは!
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