じゅて~む エッセイ編 第十三夜
【あらすじ】
N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。
タイトルの「じゅて~む」は愛しているという意味だが、架空の男性・達太が主人公の小説「じゅて~む」からの引用でもある。
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まずは自己紹介から。
俺は達太。よろしく。
七福神の中では、布袋尊に似ている。
自分に似ている神様がいると知ったとき、俺は自分も神様を目指さなくてはならないのかと、うんざりしたものだ。
今のまま、会社員としてあぐらをかいていたい。寝転んでいたい。
そう思って、部屋でひとりで、あぐらをかいて、寝転んだら、変な姿勢となり腰を痛めた。
とにかく栄養をとって腰を治そうと、必死で出前を注文し、一人前のために来てもらうのも悪いので、優しさからあんかけ五目飯を3人前注文し、野郎ばかり3人この部屋にいると思われるのも癪なので、だって誤解だし。女も一人いると思わせるため、タンメンを一人前、出前注文した。
しかし。
それでも腰は治らなかった。
そのとき調べてわかったことが、布袋尊は「大量」の神様ということ。
俺は神様ではないので、ただの「大量」ということか・・・。
ところで、口の中の水分を全部持っていく麦茶の話を、今回こそはしようと思う。
夏といえば、怪談。
しかし、このエッセイに季節は無い。あるのは曜日感覚と生身の男の肉声のみ。それで十分だろう。
怪談。それは怖い話。
麦茶は普通、口に水分をもたらすもの。それが、口の中の水分を全部持って行ったのだ。怖くないか?
だが、これには理由があった。
俺は麦茶を口に含む前に、口の中の水分を全部持っていくようなクッキーを5枚も、口の中に入れていたのだ。
俺は、クッキーを食べている最中だということを、麦茶を飲んだときに忘れたのだ。
男ならわかるだろう。女はクッキー一枚一枚を、それは大切に食うかもしれない。しかし、男、特に働く男は忙しい。クッキーの事を大切にはできない。だが、女を泣かせたくはないから、クッキーを粉々にもできない。不器用な生き物だ。わかって欲しい。
俺はいつでも口の中のクッキーの一枚や二枚、忘れることができる。
そういう話だ。
ちっとも涼しくない怪談だろ?
涼しくなりたければ、他をあたってくれ。俺はかき氷屋ではない。
俺は達太、会社員なのだから。
改めまして、俺は達太。よろしく。
好きな花は薔薇。
好きな漢字は豚。
前にも述べたが、豚の一文字には豚丼・豚肉・豚串の意味合いもある。
暇な日曜。俺は薔薇を口に咥えて踊る自分を想像して楽しむ。
しかし、追いかけるようにして「豚」の一文字が俺の薔薇にくっつき「豚バラ」となり、俺の口元から薔薇が吹き飛ぶ。
そこに残されたのは、濃い、薔薇の香りのみ。
そこに現れたのは、生姜焼き定食。
今日もなんだかロマンチックだったな。
そういえばこの間、クッキーを食べた。マリーとチョイスとムーンライト。各2枚ずつ食べた。食べ比べようと用意したのに全部口に含んでしまい後悔した。
おや、2×3は、まさか6。じゃ2枚×3種・・・。
考えるのは止めだ。何故だ、生姜焼き定食を食べたくなってきた。
このエッセイは土日に発表している。
次の土曜もロマンチックに、エッセイらしくする予定。
明日から一週間はエッセイストとしてではなく、会社員として働くか。
じゅて~む。
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