じゅて~む エッセイ編 第十七夜
【あらすじ】
N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。
タイトルの「じゅて~む」は愛しているという意味だが、架空の男性・達太が主人公の小説「じゅて~む」からの引用でもある。
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まずは自己紹介から。
蔵に閉じ込められたことはあるか。
俺は無い。
はあ~あ!
車もない!
バイクもない!
蔵に閉じ込められた事もない!
吉幾三のリズムとメロディーで、頼む。
自己紹介が遅れたな。
待たせたな。悪かった。
俺は達太。39歳の平凡な会社員。
妻が一人に、子供が一人。家のローンが20年分。インコを一羽飼っている。
引く、妻が一人、子供が一人、家のローンが20年分。
算数だ。最終的に俺とインコ一羽だけになっただろうか。
そう。その通り。俺はインコを買う。(飼う?)
何故、インコか。
それはオウムだと俺の発言を真似してしまうからだ。インコならば安心だ。
俺はデリケートなので、自分の発言に一切責任を持っていない。
それなのにエッセイストだというのだから、ウケる。
その、一切責任を持っていない発言を、オウムに真似させるのは申し訳ない。
オウムも負担だろう。エサを食ってくれなくなるかもしれない。
「おはよう!おはよう!朝飯も昼飯も食い終えたけど!」
「達太、達太、チキン達太!」
「達太!達太!ジャンボジェットの生みの親、達太!」
「これまでの飛行機はジャンボサイズではなかった・・・・。」
「達太!達太!かっこいい!」
こんな無責任な発言をしたオウムは罪悪感からエサを食わなくなる。
エサを食ってくれないのは困る。
死に直結する。
野生の王国では弱肉強食なのだから、エサは食わないと、食われる。
つまり、オウムはエサを食わないと、俺に食われる。
俺は嫌だ、そんなことしたくない。
せっかく新潟に住んでいるのだから若鳥半身揚げを食いたい。
それにケンタッキーも食いたい。ひいきにしている定食屋の唐揚げを食いたい。
あとは。なんだ。
七面鳥は食ってみたい。あのクリスマスのテカテカした七面鳥。
はあ~あ!
車もない!
バイクもない!
七面鳥を食ったことが無い!
吉幾三で頼む。
あとは、ないか、鳥はこれぐらいか。
次は豚?
豚料理は際限がない。終了だ。
・・・さて、せっかくの日曜だ。出発だ。
インコを買いに(飼いに?どちらだ、買うか飼うか、どちらだ・・・。)出発だ。
もう夕方だが、かまうものか。日が短くなったのが悪いのだ、俺の夏は続く。盆を過ぎても海で泳ぎ、クラゲに刺されるんだ。さんざん蚊に刺されたろう?今更クラゲがなんだ。
インコだ。今はインコだ。
来週のエッセイは、おおむねインコの話ばかりになるだろう。
インコの写真を大量にアップするだけのエッセイに進化する恐れもある。
果たしてそれはエッセイと呼べるのか。ウケる。
来週のエッセイで、俺のインコ作戦が茶番かどうかを判断してくれ。頼む。
すべて小鳥たちに、じゅて~む
※今回、初めて似ている有名人を伏せてみた。どうだったろう。しっかりと竹野内豊だったろうか。
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