じゅて~む エッセイ編 第十八夜
【あらすじ】
N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。
タイトルの「じゅて~む」は愛しているという意味だが、架空の男性・達太が主人公の小説「じゅて~む」からの引用でもある。
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まずは自己紹介を。
俺は達太。39歳の平凡な会社員だ。
獅子座だ。O型が。それが何だ。俺は俺だ。
好きな有名人は、高木ブーと徳川家康とバッハと、紅の豚と、沢口靖子。
これまで、さんざん似ている有名人について語ってきたが、好きな有名人についてはノータッチだったな。
申し訳なかった。
好きな有名人にノータッチとは、男らしくなかった。タッチしていこう、これからは。
好きな理由?
理由は無い。そんなもんだろ、ファンなんて。
強いて言えば、沢口靖子以外は俺に似ていて好きだ。
高木ブーは俺に似ているし、バッハは29歳の頃の俺だ。色白でもっちりしていた。
徳川家康は60歳になった俺だ。
沢口靖子は俺ではない。
戸田恵梨香も俺ではない。
おっと、もう一名の好きな有名人がバレたか・・・。
ちなみに、俺はナルシストではない。俺に似ている有名人が、たまたま俺に好かれただけだ。
端正であるのは、竹野内豊やオーランドブルームや巨人軍キャッチャー小林とわかっている。
彼らは男前だ。
それに比べて俺らは。
彼らはスタイルも良い。
それに比べ、俺らは。
彼らのファンは多い。
それに比べ、俺らは・・・
と言いたいところだが、その点では俺らも負けない。バッハのファンは多い。クラシック界に多い。人気者だ。
俺らだって捨てたもんじゃ、ない。
さて。エッセイを始めるか。
プレイボールだ。
好きな有名人について語ってきたが、俺の好きな部分は「腹」だ。すべてが詰まっていると思う。食ったものはもちろんだが。
先日、「頭を抱える」と同僚が述べていた。俺は仕事中も定食を食ったりしていることが多いので、もっと気楽に考えたら解決するぜ?と思った。
頭なんて抱えていたら、両手がふさがる。
腹を抱えてみてはどうだろう?
と提案しようとして、やめた。彼は仕事で忙しいし、俺は定食で忙しい。
体の一部を用いて表現することが一時流行ったのであろう、日本には変な表現が多々ある。
俺は、それを整理したい。
「目に入れても痛くない」
そんなわけないだろう。
だが「腹に入れても痛くない」だと、しっくりくる。
孫をとても可愛いと思っているならば、普通、自分の腹に入れるはずだ。
「耳が痛い」も「腹が痛い」が、適切だろう。
「膝から崩れ落ちる」
そんなわけない。人間は「腹から崩れ落ちる」生き物だ。
「ご足労願います」も意味不明だ。
「ご腹労願います」が最適だ。
敬意に溢れている。商談は成立するだろう。告白も成功するだろう。
日光の「見ざる聞かざる言わざる」については、目・耳・口に手を添えるのではなく、腹に手を置くべきだ。
腹に両手を置いて、「見ざる!聞かざる!言わざる!」と叫んでみる。
ああ、こっちだったな、とわかる。
定食屋で、腹に両手を置き「見ざる!聞かざる!言わざる!」と大声で言ってみる。
店員がすっとんでくるだろう。
しかし店員に用はない。
仕方なく、俺は生姜焼き定食を食べ終えているが、追加でタンメンを注文するだろう。
野菜たっぷりの。ヘルシーな汁物。
完璧だ。
ほんの少ししか例が浮かばなかったが、すべての格言を一度「腹」に置き換えてみると、成功するだろう。人生が豊になる。
今日は本当にエッセイらしかったな。
s
書籍化を強く、深く、願うのはもちろん、小学校の教科書に載ることを切に願う。
じゅて~む
いや。
小学生には早いな。中学校の教科書に載せてもらうか。
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