じゅて~む エッセイ編 第30夜
【あらすじ】
N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子(39歳)が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。
タイトルの「じゅて~む」は愛しているという意味だが、架空の男性・達太が主人公の小説「じゅて~む」からの引用でもある。
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俺は今、怒っている。
よって、エッセイの最初にいつも律儀に行っている自己紹介は省略だ。
俺は達太。39歳の会社員、つまり大人だ。社会人だ。
俺は、今時の若者に対して怒っているんだ。けしからん。自己紹介などしてやるもんか。
今日俺は、おやつとして、珍しく牛丼チェーンではなく、ハンバーガーチェーンを利用したんだ。
そこで俺の隣のテーブルにいた3人の女子高生の言葉使いといったら・・・!
彼女らに述べる自己紹介など無い。ありません。
彼女らから見たら、俺はきっと高木ブーとほんじゃまか石塚さんのハーフそのものだろう。
それがどうした。若者には真似できないだろう。特に女子高生の彼女らは真似できないだろう。
こう成りたいか?成りたくないだろう?ほら、真似できないだろ?
はん、俺の勝ちだな。
自己紹介してもらいたきゃ、俺に投げキッスしろ、もちろんヨケるがな。
大人の俺は女子高生の投げキッスなど、面倒なだけだ。全てヨケる。
俺の大好きな部分は自分の腹。
どうだ、女子高生の中に、自分の腹が好きな者はいるか。いないだろう。ありません。そだろ?
好きな言葉は「弱肉強食」と「愛してる」。
どうだ、女子高生諸君。愛してると言えるパートナーと過ごしているか、いないだろう。
いや。間違った、そんなことない。
親御さんと暮らしているはずだ、女子高生は。
ではでは。愛しているは言える。君らは無意識で親御さんを愛しているんだよ?
・・・・・。
なんの話だ。思い出せよ俺、達太。
「ねえ、どうしたの、せっかく〇〇〇来たのにポテトもマックシェイクも頼まないの?ダイエット中とか?」
「ううん。お腹壊したみたいなんだ。」
お腹を、
壊す????
メガマック2個めを食べている俺の耳に信じられない言葉が飛び込む。
『お腹を壊す』
バカ野郎。
壊してイイ物と、壊したらダメな物の区別もつかないのか。
腹は大事だ。
一番大事だ。
壊してはダメだ。
俺は隣のテーブルへ近づく。
「もし。マダム。
いや失敬。
乙女たち。
腹を壊すとはどういう事だろう。
腹は大事にしてもらわなきゃあ。」
「え、え、誰ですか。」
「俺は達太。39歳の会社員。似ている有名人は高木ブー。あ、一目瞭然ですよね。失敬。
似ている車種はアンパンマン号。あ、一目瞭然ですよね、失敬。
でも君たちと同じ年頃の頃は、音楽家のバッハにそっくりだったんですよ。モテましたね確かに。」
嘘をついてしまった。モテていたと。だが腹という素敵な物を壊す彼女らに嘘をついたところで、良心と良腹の呵責はゼロだ。
ところが驚いた。彼女らの弁明。
「お腹を壊したっていうのは、お腹が痛かったという意味で・・・。」
若者よ、しっかりしてくれたまえよ。
痛いというだけで、大事なお腹を壊すなよ。
腹を壊したかと思って焦ったよ?
俺は怒っている。
本来は土曜に発表すべきエッセイを、金曜の夜に、発表してしまった。
それほど怒っている。
金曜ロードショウ
「紅の豚~俺がお前でお前が俺で~」
にモロ被りでの発表、お許し願いたい。
女子高生に告ぐ、
じゅてーむ!
告いだ・・・・・。
告った・・・・・・・・。
※本日の金曜ロードショウはハリポタです。
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