月曜からじゅて~む エッセイ編 第43夜
【あらすじ】
N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子(39歳)が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。
タイトルの「じゅて~む」は愛しているという意味だが、架空の男性・達太が主人公の小説「じゅて~む」からの引用でもある。
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午前2時、正体不明の眠気が俺を襲う。
俺は達太。平凡で高木ブーそっくりの会社員。39歳。
だがそれは月~金曜日に限られたこと。
俺は、土日だけエッセイストなのだ。
本当の事をいうと、一週間毎日、エッセイを書いていたい。
だがそうもゆかない。
俺は、金は会社から貰うことにしているからだ。
エッセイは完全なボランティア業だ。
誰の為になっているかは、一切不明。
それは皮肉にも最たる奉仕の精神だ。誰の役に立っているのかすらわからないボランティア活動、俺のエッセイ。
このエッセイ活動、始めてからこれまで、土日は本当に休まずに続けてきた。
週の真ん中あたりの祝日に、土日と間違えてエッセイを発表したこともある。
連休だからと祝日も土日扱いし、連日エッセイを書きなぐったこともあった。
だが、休んだことは無かった。
つい昨日までは。
それは忌まわしき11月29日。
偶然にも「いい肉の日」
俺は「いい肉の日」のプレッシャーに打ち負け、エッセイを発表できなかった。
違うか?
違う。大間違いだ。
寝てしまったのだ。
そして午前2時、目が覚める。
日曜と月曜の狭間。
エッセイストから会社員に生まれ変わる真っ最中、さなぎの俺。
もちろん、まるまる太ったさなぎだ。
俺が蝶ならば、さなぎ時代のまん丸具合がウケ、珍種扱いされるだろう。
例え羽化したとき、通常のモンシロ蝶であっても・・・。
午前2時に目覚めた俺は、エッセイを発表しようと、した。
いや、してない。
してないな。
正体不明の眠気が俺に襲い掛かってきたのだ。
あれは何だったのだ。
布団の中で、急に目が覚め、しかしまた、とろんとろんと眠気が来る。
起き上がる気力すら起きず。
11月29日、秋も終わる、それは布団が気持ちよい季節。
俺は起き上がる気にもなれず、トンカツ定食でもあれば起き上がれたのかもしれないが、正体不明の眠気に襲われる。
正体不明の眠気なのだから、勝てる訳がないのだ。
俺ほど合理的でデリケートともなると、クレバーで居たいため、勝ち目のない戦いはしないのだ。
例え恋愛でもそれは同じこと。
正体不明のものに勝つとなると、それはリスキー。
俺は、布団の中で、目すら開かず、諦めたのだ。
起き上がることを。
エッセイを。
だいたいPCのブルーライトなんて夜中に見るもんじゃない。
諦めたんだ。
だが、結果、良かった。
「いい肉の日」にふさわしいエッセイなんて俺にはプレッシャーだし、
ネタが無い中、サボったことがネタとなった。
しかも、前夜(第42夜)で女子高生にエッセイをのっとられた「なりすまし」に挑戦し、失敗している。
女子高生になりすました結果、俺は疲れ果て、挙句の果てに出来上がったエッセイが面白くなかったのだ。
※第42夜参照。
それで傷付いている雰囲気を醸し出してしまったかもしれないのだ。
読者は俺を心配しただろう。
女子高生になりすまし疲れ果てた俺を。
日々の食事で蓄えまくったエネルギーを使い果たした俺を想像させたんじゃないか?
あんなに食べたのにエネルギーゼロ。日曜に立ち上がれない俺。
「まさか、達太がお粥を!?」
そんな心配をありがとう。
大丈夫、俺はとても食べた。
今、このエッセイと読者の一体感は高まっているな。
いつも俺ばかり、じゅて~むじゅて~む、毎週のように連呼している。
だが今夜は、達太復活に、あなた方が、じゅて~む なんじゃないか?
ふふふふふ
じゅて~む
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