じゅて~む 童話エッセイ編 第54夜 「達太、赤ずきんちゃんの兄に①」
【あらすじ】
N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子(39歳)が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。
タイトルの「じゅて~む」は愛しているという意味だが、架空の男性・達太が主人公の小説「じゅて~む」からの引用でもある。
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まずは自己紹介から。
俺は達太、39歳のいたって平凡な会社員。
外見が高木ブーにそっくりな事を除いては。
高木ブーとほんじゃまかの石塚氏の間に生まれた男の子のようである事、意外は。
座右の銘は、「こんな俺も人間だもの」
一番好きな四文字熟語は「大盛無料」
一番好きな言葉は「弱肉強食」
一番好きな日本語は「焼肉定食」
一番好きな中国語は「餃子百個」「回鍋肉」「シェイシェイ」
いくつもの四文字熟語を愛しているように見えたかもしれない。
だが、そんなことは決してない。
そろそろ堅苦しい自己紹介は、終わりにしようか?
では、改めて。
俺の好きな童話は「赤ずきんちゃん」だ。
理由は、俺の入り込む余地があるからだ。
たくさん、達太が登場した方が良い場面がある。
まずはあらすじをざっと説明しよう。
今、ウェブで調べて、俺がわかりやすく噛み砕く。
比喩ではない。誠実に、片手にフランクフルトを準備し噛み砕きながら、あらすじを述べる。
赤ずきんちゃんは、母親の命じで、病気で寝込むおばあちゃんを訪ねる。
だが、オオカミが、赤ずきんちゃんを食べたいと願うあまり、おばあちゃんを食べ、おばあちゃんに成りすまし、ベッドに寝て赤ずきんちゃんの到着を待つ。
しかも。
最後におばあちゃんはオオカミの腹の中で、立派に生きていて、助かるんじゃなかったけか?
俺が入り込むことで、おばあちゃんも一旦オオカミの腹に入る必要をなくしてみせる。
加えて、オオカミも大事な腹にハサミを入れる必要もなくしてみせる。
まず、俺は、赤ずきんちゃんの年の離れた兄として登場してみよう。
俺は、妹と揃いの赤ずきんを被る。
赤ずきんちゃんの頭巾は、おばあちゃんが作ってくれたそうだが、俺のはもちろん自作だ。
どんな優しいおばあちゃんでも、俺に赤い頭巾を作ってくれるわけが無いのだ。
そして、妹に同行し、おばあちゃんの家を目指すのだ。
寝込んでいるおばあちゃんの事を想う。妹は腹に溜まらないモノばかりを見舞いの品としている。
・ぶどう酒
・チーズ
・木いちごのパイ
は?
これが、見舞いの品?
これは、今しがた、きちんとリサーチした結果だ。
驚いた。
飽きれてしまう。
病人にワイン。チーズ。
アル中は誰だ。
おばあちゃんか、見舞いの品をチョイスした赤ずきんちゃんのママンか。
しかも見舞いの品の3品目を再度ご覧を。
・木いちごのパイ
俺の幼い頃は、パイやタルトの類は想像できない代物だった。
だからこの物語がすっと心に入ってきたのだろう。
今ならわかる。
ワインを飲んで、チーズを食べて、そんなパイを食べる。
昼にカツカレーを食べたことで触発され、夜にカツ丼を食べたくなる俺と、同レヴェルだ。
トンカツを揚げている間、匂いに触発されるからといって、できあいのアジフライをチンして食べる俺と、同レヴェルだ。
俺の予定では、エッセイとしては、
「俺ならこんな腹に溜まらず、精気を養えない差し入れはしない。
俺はおばあちゃんの事を想う。
・生姜焼き定食大盛り
・肉だんご
・麻婆
まず生姜は体を温める。病気なら生姜焼きに限る。
病気で体力を消耗しているため、もちろん大盛り。
そして肉だんご。
食欲がなくとも、ぽいと口に入れ、一瞬で食べることができる。錠剤みたいなもんだ。ごくんと行こう。
最後、麻婆。
最悪、生姜焼きを食えなかったり、肉だんごを飲み込めなくとも、ゲル状の麻婆なら啜れるだろう?」
だが、完敗だ。
病人に、ワイン&チーズ&木いちごのパイ。
健常な酒飲みでも気持ち悪くなるんじゃないか。
ワイン&チーズで酔っ払った後に、木いちごのパイをワンホール。
麻婆をすする方が病人に優しいし、肉だんごを一個たべる方が、常人にも可能な芸当だ。
俺は、エッセイストとして、童話のパロディを試みたのだが。
なぜこんなことに。
俺は土日にエッセイを発表しているのだが、連休があったりすると小説に切り替えたり、旅エッセイにしたり、そうやってメリハリを付けているのだ。
この三連休、俺が大きく関与する赤ずきんちゃんを連載しようと試みたのだが。
何故だ、しょっぱなから、つまづいてしまった。
おばあちゃんはアル中で、赤ずきんちゃんのママンが食の常識を持っていない女性のため、
ちょっと今夜は、
様子をみようか。
じゅて~む
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