じゅて~む 童話エッセイ 第55夜 「達太、赤ずきんちゃんの兄に②」







【あらすじ】
N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子(39歳)が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。
タイトルの「じゅて~む」は愛しているという意味だが、架空の男性・達太が主人公の小説「じゅて~む」からの引用でもある。
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まずは自己紹介から。
月~金は会社員として働いている。
土日はエッセイストだ。
祝日などあると、エッセイではなく小説や旅エッセイなど、続き物を発表したりしている。
しがない、高木ブー似の、39歳の、メタボリックエキスパート症候群の男だ。
この3連休。
童話の赤ずきんちゃんに、俺の入り込む余地があると気付き、
童話3連作を試みるも、
赤ずきんちゃん一家が、俺よりも食の常識の無い女系家族だと知り、俺の入り込む余地が、実は無いと知った。
病気で寝込む女の老人に、
ぶどう酒、チーズ、木いちごパイを差し入れるという。
ぶどう酒ってワインだろう。
子供たちはお酒を知らないから童話に納得しているが、大人は気付くべきだった。童話が輸入される時点で。
こんな話は読み聞かせるべきではない。
そこで俺は、
赤ずきんの女系一家を指導する方向へ、方向転換することにした。
まず、赤ずきんの年の離れた兄として登場。
赤ずきんのママは、赤ずきんちゃんに
「寄り道をしてはダメよ」
と告げる。
それに背き、オオカミにそそのかされ、花畑に寄り道したために、オオカミに時間を与えてしまい、おばあちゃんを食べられてしまうのだ。
俺はそこから正す。
母が、「寄り道をしてはダメよ」
いいや。
それは違う。
赤ずきんちゃんが腹を減らさずとも、同行する俺が、腹を空かす。
「いや。寄り道はする。無理だ。
おばあちゃんの家に行くなら、通り道にある旨いもの、スタミナのつくもの、揚げ物、を食べないと出掛ける意味合いがない。」
オオカミにそそのかされなくとも、寄る。食べる。
しかも俺は、寄ったレストランのすべてで、ポークソテーにナイフを入れながら尋ねる。
「オオカミって食ったことないけれど、美味しいですか。」
食う側、食われる側の逆転を、オオカミは恐れるだろう。
しかも、寄り道をしても俺は遅れない。
素早く食べればいいだけのこと。
俺はオオカミより先におばあちゃんの家に到着。
おばあちゃんは俺に、お前誰だ!?のようなことを言うだろう。
「孫の達太だ。忘れたのかい。赤ずきんちゃんの年の離れた兄だ。」
「さあ、ちょっとズレるんだ。 俺が横に寝る。
 窮屈だろうが、我慢だ。」
こうして俺は、おばあちゃんと並んでベッドに横たわることに成功。
もちろん、自作の赤ずきんを被って、ベッドにうずもれる。
あとはオオカミを待つのみ。
オオカミは俺を見て驚くだろう。
オオカミ「赤ずきんちゃん、もう着いたの? なんか腹、出てない?」
俺ずきん「ええ。着いたわよ。腹は出てるかもしれないわね。

道中、たくさん食べてきたからね・・・。」

オオカミ「赤ずきんちゃん、顔が3倍の大きさになってない?」

俺ずきん「なっているかもしれないわね。オオカミさん、私のこの腹や顔をキープするために、食べられてくれるわよね?じゅて~む?」

立場が完璧に逆転した。
オオカミは食うことばかりを考えていたが、俺の登場により食われる側になる。
おばあちゃんを俺は守った。
ところで、赤ずきんちゃんは今どこに。
はぐれたか・・・。

じゅて~む
















じゅて~む

【あらすじ】 N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、 架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。 そして、達太の外見は、39歳にして徳川家康公にそっくりであった・・・。

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