じゅて~む エッセイ編 第70夜 「達太こぶとりじいさんと寝食を共に①」
【あらすじ】
N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。
タイトルの「じゅて~む」は愛しているという意味だが、架空の男性・達太が主人公の小説「じゅて~む」からの引用でもある。
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俺の名は達太。
39歳の、ごくごく普通の会社員だ。
体内年齢は68歳だ。
高血圧で血管がボロボロであり、階段を上るとハアハアいうだけではなく、階段に腹が立つ。
だが頭はキレる。
自分で言うのもなんだが、68歳とは思えない。
冷静沈着だがユーモアもあり、ロマンチックでもある。
シャイだがな。
食欲年齢は17歳だ。
野球部なみに食える。
野球部の連中ときたら、建設現場の35歳の働き盛りなみに食うだろう?
あいつらバケモンさ。甲子園を目指す、バケモンだ。
応援している。俺は全部の学校を、応援している。春も夏も。全部の学校の勝利を祈っている。
俺も、同じ穴のムジナだからな。
生姜焼き定食は大盛。
牛丼はおやつだ。
だが、麻婆麺は普通盛りだ。しかもライスは小。
そんな一面も、ある。
そして外見は、アーティストの高木ブー似だ。(自己紹介の続きだ、ついてこい。)
長谷川京子にも、根本的には似ている。
彼女が男で、食欲旺盛で、一日中椅子に座って出前を注文していたら、俺に似ていると思う。
そんな俺も、心だけは5歳のままでありたいと、常々思っている。
たとえ仕事に支障をきたしても、心だけは、5歳のままで。
小学校にあがる前の、汚れない俺でありたいのだ。
心を5歳に保つには。
日本の昔話に触れてみようじゃないか。
5歳児には日本昔話だ。
小学校に通う、お兄さんお姉さんを羨ましく思いながら、5歳児は絵本を開く。
小学校に通えないならば、絵本を教科書にして学ぼうじゃないかと。
俺は、それを真似るとするか。5歳児であるために。
そして俺は、なんとも魅力的な日本昔話に出会ってしまう。
「こぶとりじいさん」
ちょっと待て。
ちょっと待て!
何を食った!?
落ち着け、何を食った??
あの貧乏な香りのする時代に、小太り。何を食ったらそうなる。俺もそれを食いたい。
年代はよくわからないが、日本昔話には全体的に貧乏な香りが纏わりつく。
イイ女に薔薇の香りが纏わりつくように。
そんな貧乏時代に、小太り。
俺はそそられる。
何を食っているんだ。
相当だぞ。
俺も、こぶとりじいさんと寝食を共にしたい。
俺は、こぶとりじいさんの世界へ。
「こんにちは。
頬がとても膨らんでおられますね。
何を召し上げっておられるのです か???」
「これは、こぶです。」
「こぶ?
口にたらふくの何かを含んでいるのでしょう。
またまた、ご謙遜なさらず。
イノシシ揚げですか。
クマ焼き丼ですか。
まさか麻婆麺。」
そこへ、鬼が6人、やってきた。
俺は老人をササっとかばい、木の陰へ隠れる。
腹がはみ出て見えるが、良しとしよう。
例えば木から顔がはみ出ていたら
「あ、人間がいる!」となるが、
腹がはみ出ていてみろ。
「あれは何だろう。」となる。
しかも俺は達太39歳、昭和56年生まれ、1981年生まれ。
もちろん、Tシャツ姿で、日本昔話のこぶとりじいさんにお邪魔している。
本日はユニクロが販売している、アンディウォーフォルのバナナが、どどんとプリントされているTシャツを着ている。
俺はシルクスクリーンが好きなんだ。
意外がれよ?
タツキストの皆さん、俺&アートを。
つまり、木からはみ出しているのは、巨大なバナナ。
鬼はバナナを知っているか・・・。
命運を分ける。
鬼がバナナを知っていたならば、
「き、き、木から巨大バナナ、あり得ない光景、恐ろしやぁぁ」
となり、逃げかえり、
老人のこぶは、そのまんま。
鬼がバナナを知らなかった場合、
「何だアレは。
お、2人の人間が隠れていたのか。
おい。
ほっぺにコブのある方。
何か踊ったら、コブを取ってあげるよ。」
となり、老人はコブ取って欲しさに踊り、鬼は老人のコブをとってあげ、老人は大喜び。
隣で俺は「そんな年じゃないだろ、外見なんてどうでもいいだろ。人間中身だろうが。」と老人を軽蔑する・・・
というハッピーエンドが待っているのだが。
どう出る、鬼。
じゅて~む
俺が、しばらくエッセイを休んでいたため、それが3月上旬~4月上旬だったため、
俺をソメイヨシノの妖精だと、勘違いした読者も多いと聞く。
安心して欲しい。
俺の花は、薔薇だ。
引越し作業でパソコンが使えなかっただけで、俺は薔薇を愛するエッセイストだ。
しかし。
土日のエッセイ連発にお腹いっぱいとの声もある。
お腹いっぱいの何が悪いのか?
まったく意味がわからない。
だが。
これを機に日曜祝日のエッセイにしてみようか。
日祝といえば。焼き肉など食べる理由にする曜日だ。違うか?
試しに。エッセイの頻度を減らす。お腹いっぱいの何が悪いのかを検証するために。
じゅて~む
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