じゅて~む エッセイ編 第89夜
【あらすじ】
N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。
そして、達太の外見は、40歳にして徳川家康公にそっくりであった・・・。
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お久しぶりだね。
元気だったろうか。
俺は元気だ。達太40歳、会社員。
何故「お久しぶりだね。」なんて、情緒ある挨拶から始まるかって?
1年に1度、お正月にこのエッセイを一気読みする「正月といえば達太」スタイルのファンは、お気付きでないだろう。
が、しかし。
週1で発表していたエッセイ「じゅて~む」が8月末からパタリと発表されなくなってしまったのだ。
なぜか。
今日は久しぶりだし、クイズにする。
イヴェントとしても盛り上がる。
3択だ。
よく聞くように。
その①、
前髪が伸び、前が見えなくなった。
その②、
女にうつつを抜かしていた。
その③、
整形外科クリニックの受付として、女性に混ざって仕事をしていた。
①~③、どれも想像がつくだろう。
難しいクイズかもしれない。
ではサービスで、わくわくする選択も追加してしんぜよう。
その④、
「じゅて~む」書籍化に向け準備に忙しかった。
④、いいな。それがいいよ。
俺だって④がいい。
だが④ではない。
④は追加されたくらいだ。正解であるはずがない。
①~③、順番に考察していこうか。
まず①、想像してみろ。
俺の前髪が、口元まで伸びる。
俺の髪質は剛毛で、黒々している。流行のシースルー前髪ではない。
つまり。前が見えない。エッセイが書けない。
食事はとる。
食事のときには伸びた前髪を、逆に利用しオールバックにするのだ。
ピンチをチャンスに。
より焼き肉店が似合う容姿だ。
中華料理の円卓も、似合うかもしれないな。
俺×オールバック×麻婆豆腐大皿
①は俺らしいな。あり得る。
つぎに②、
女にうつつを抜かしてエッセイを書かなくなった。
あり得る。
書いても書いても、その女の目を意識するため、エッセイが虚偽にまみれてしまうのだ。
「まずは自己紹介から。俺は達人。たつんど、と読ます。古風でいいだろう。
趣味はカフェ巡り、牛丼チェーン店の食べ比べ。
女性を連れて行くなら清津峡。
最近キャンプに凝っており、キャンプ場でカツカレーを6人前作って1人で食べることも可能。
好きな花は、なでしこ。
好きな映画はET。」
こんなエッセイ誰が望む。
なでしこなんて花、知らない。
浮かぶのは澤選手の顔だけだ。
未だにそうだ。更新されないんだ、特にサッカーの分野の記憶は更新されづらいんだ。意外と俺だけではないはず。
ETは好きだ、大好きだ。
だが、ドリューバリモアがもっともっと活躍するチャーリーズエンジェルでいきたい。
チャーリーズエンジェルを知ってからETを観ると、
「なぜドリューはここで暴れ出さないんだ?」
と何度も思い、その度に
「しまった!
俺が今再生しているのは、ET!
その証拠にドリューーが子供の状態!
チャーリーズエンジェルとは似て非なる映画!」
となってしまう。
だいたい俺は達人(たつんど)ではない。
達人としてエッセイを更新するくらいなら、休んだ方が賢明。
②も、あり得る。
③について。
つまり転職という理由。
病院の受付には美しめの女性が待ち構えており、彼女らに「宮村達太」とある保険証を、提出したりする。
帰りしなには、レジもたたいて「お大事に」など言って見送ってくれる。
「君にお大事にと言われても、このあとラーメンを汁まで食うがね」など心の中で思い、俺はあまのじゃくだ。
その受付の女性。
それに混じって俺も働く。
カウンターの中をウロウロする俺は、
院長先生に見えるかもしれない。
貫禄のある体つきだからね。
だが、目を凝らして俺を見て欲しい。医者にあるべき聡明さが無いはずだ。どよんとした三白眼。ぶよぶよして半開きの口元。
女性に囲まれ受付にいるものだから、鼻の下も伸びきっている。
頭の中は味噌ラーメンのことでいっぱいだ。
そんな俺を、よく見て欲しい。
院長先生に見えるかしら?
見えない。大丈夫だ。白衣も着ちゃいないし、大丈夫だ。
さて。
ここまでヒントが出そろった。
なぜ1か月もエッセイを発表しなかったか。
本当に④の「書籍化の準備のため」であって欲しい。
自分で追加しておきながら、なんと素晴らしい理由なんだろう、と思う。
ちなみに、正解は③だ。
ネタとして一番面白くなかったろう?
①と②が、お題はサッパリしているが、面白かったろう?
だから③だ。
もし俺が達人(たつんど)を名乗り始めたら、好きな女ができたと思ってくれ。
じゅて~む
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