「トライアングル・ダリズ・コンポジション~長野への道中編~」












【あらすじ】


N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。


そして、達太の外見は、40歳にして徳川家康公にそっくりであった・・・。


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俺は達太。


40歳、会社員。


似ている有名人はバッハ。


代表曲はG線上のアリア。




導かれるままに音楽の聖地、長野市権堂へ。




だが車中。


俺を取り巻く男たちが、心配を始めた。


俺は今回、なんの因果か、役者を引き受け、しかも女を演じる予定だ。




シダ「ネオンホールは反応が抜群だと聞くね。」




達太「・・・だな。」




ドライヴは続く。


BGMは、スピッツだ。




そこで俺は思いつく。


人気アーチストのスピッツがスパッツ、それ以外はすべて同じのパラレルワールドが舞台の芝居を。


女子高生らが


「あ、この曲、なんだっけ、」


「スパッツの、えっと、」


「あ~出てこない、スパッツのまではわかるのに!」


主人公は、スピッツのスピカじゃん。間違ってんじゃん、と心の中で冷ややかに思う。


しかし懐かしいな、どのアルバムに入ってたんだっけ・・・と主人公はタワーレコードに立ち寄ることに。


そして恐ろしいものを見てしまう。


スピッツの全アルバムが「スパッツ」名義になっているのだ。


主人公が茫然としているとカップルが隣に。


「俺、スパッツ好き。女子はどういう聴き方してるか知んないけど、ロックだよスパッツは。」


「そうなんだ。私のお母さんが好きだよ、草野マサムネ、スパッツ!」




いける。スパッツが有る世界。


スパッツなだけで、曲の良さはそのままだ。


しかも現実世界となんら変わりない。絶妙な違和感。


本来はtheピーズの大ファンのはずの主人公は無性にスピッツを聴きたくなる。


精神状態をやられた主人公は、「お兄ちゃん、スパッツのフェイクファー貸して、」


と部屋に来た妹に往復ビンタをしてしまい・・・。




さて。ネオンの反応が抜群の話題に戻ろう。



山本「ノリがいいんすよ、ネオンは。笑い声に加えて、『えっ?』『やだ♪』など聞こえてくるんですよー!」




シダ「嬉しそうだね山本君。」




山本「俺、ヤマモダンて、間違ってるから売れないんだ、ってずっと思ってたんです。でも長野のネオンホールでライブして元気がでた。


ネオンホールのお客さんが、ヤマモダンに突っ込むんです、反応するんです!笑うんです!


ネオンホールが無かったら、今のヤマモダンはない。でも。」




 山本のミートボールほどもある大きな目に、心配と書いてある。




シダ「いいな、ネオン。今回、久々に乗り込むわけだ。楽しみばかりじゃないか。なんで山本君はそんなに心配なんだ。」




達太「俺じゃねえか?」




シダ「え。」




山本「・・・。」




達太「ヒロインの俺じゃねえか?」




山本「・・・・・・。」




達太「俺のブスに、長野は、気付くんじゃねえか?」




山本「・・・。」




達太「黙ることはない。」



山本「はい。達太。」




達太「そうだ、進め。」



シダ「じゃ、まさか、、、」




達太「俺にツッコミが入る。」




山本「確実に、ヒロインの達太にツッコミがきます。」




達太「長野は、俺に、気付く。」




シダ「じゃあ、芝居の中身は一切伝わらないのか?」




山本「あり得ます、シダさん。」




達太「しかも。ツッコミをもらってご満悦の俺は、シダさんの真ん前に立ちはだかって、貴方を客席から見えなくしてしまう可能性もある。」




シダ「何だって!?


じゃ、俺の練習の成果は・・・。


この1週間、3人で頑張った『立ち位置変更の猛練習』の成果は・・・!」




達太「おじゃんだ。」




山本「西堀DOMOの立ち位置に戻るどころではありません!」




どうする中央ヤマモダン、第二黎明期シダジュン!




※劇団第二黎明期


 新潟市の老舗劇団。老舗なのに柔軟、会話が軽快。人を映し出す芝居。細やかなユーモアと愛がいつもある。 シダジュン作演出がほとんど。高橋景子が看板役者。それを支える音響制作の方々はヤマモダンにもいつも協力してくれる。




※ネオンホール


 長野市権堂のライブホール。ロックはもちろん。音楽はもちろん。演劇、コント、すべての表現に場を貸してくれる。応援してくれる。本気の表現者たちの、出発点であり、成功したら恩返ししたい場所ナンバーワン。




達太「蕎麦屋のカツ丼かえって楽しみじゃねえか?」




達太「長野は女子が全員お洒落だから、俺という女で息抜きしてえから、俺は当たるんじゃねえか?」




達太「癒しだよ、俺は。癒し系を狙おうと思う。蕎麦屋のカツ丼。」




シダさんと山本が俺を心配するのをよそに、俺はネオンホールが楽しみでならない。




まだ大潟PAだ。


早く新井PAへついて、フランクを食べたい。


小布施PAで栗おこわとメンチを食べたい。


ネオンホールが楽しみだ。




次回は長野到着編。


俺とネオンメンバーの本当に久しぶりの再会だ。


男として、なつみとみしろにセクシーにじゅて~むするか、


女優としてワカバヤシにクールにじゅて~むするか、


妙高を通過するときには決めておきたいところだ。




じゅて~む




マジで、ネオンホール、じゅて~む


大好き、涙出てくる。




じゅて~む

【あらすじ】 N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、 架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。 そして、達太の外見は、39歳にして徳川家康公にそっくりであった・・・。

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