じゅて~む エッセイ編 第92夜「北風と達太と太陽②」
【あらすじ】
N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。
そして、達太の外見は、40歳にして徳川家康公にそっくりであった・・・。
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あけましておめでとうございます。
お久しぶりです。
タツハルキストの皆さんは無事に年を越されましたか。
俺、達太40歳、会社員は無事に年越しました。
寅年になりましたね。
今日は久々の更新にして、新春スペシャル。
前回は「北風と太陽」の物語に巻き込まれてしまったかのような俺でしたが、実は物語の蚊帳の外だったということがわかりましたね。
北風が俺の前を歩く旅人に、ビュウビュウと容赦なく北風を浴びせ、俺はそれをポカンと眺めるという。
旅人「寒い!ますますコートを脱ぐわけにはいかない・・・!」
北風「なぜだ、なぜだ、ますますコートの前をしっかりと!」
俺は見かねて口をはさむ。
「2人とも。すれ違っているよ。
会話が、ちぐはぐだ。
北風が、もう少し低い位置から話しかければいいんじゃないか?質問があるんだろう?」
旅人が俺を見る。
旅人「あなたは誰ですか。」
俺はいつものように答える。
「まずは自己紹介から。俺は達太。
ごくごく平凡な日本のサラリーマンだ。外見も至って普通だろう?
音楽家のバッハが音楽に嫌われ、目の生気を失った状態に似ているとは、よく言われるよ。
これはトレンチさ。
ベージュのワンピースではない。
腹を解放してあげたくてね。ベルトをうんと上に巻いてみた、ら、こうだ。
女装の趣味はないんだ。
趣味はカツ丼や牛丼の食べ歩き。
ライフワークは出前。
いや、違う。てんやもんを届ける側じゃない、頼む側だ。出前頼むの好きなんだ。家に定食が向かってくるあの感じが。
好きな花は薔薇。
ちょっと人と違う点は、土日はエッセイストであることかな。
平日は月~金まで、昼に出前をとることばかり考えて、大人しく働いている。」
しかし、ウケる。
旅人にばかり北風がビュウビュウ当たり続けており、俺は無風で死んだ目で、だらだら自己紹介。
旅人は髪をかき分けたり、
「ライフワーク?出前?」
と聞き返してくれたり、忙しそうだ。
「今、薔薇って言いました?」
ああ薔薇だよ、と思いつつ俺は無情にも自己紹介を続ける。
通りがかりの人々が、こんな俺達を指さして笑わない事を、祈る。
やっと物語に割り込めたな。
新春だ。これぐらいにしておこう。
実は。最近また役者、しかもまたもや女役のオファがあり、エッセイが滞りがちだ。
安心してくれ、俺はあくまでも達太。
カツカレーが大好きな皆の味方だよ。
じゅて~む
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