じゅて~む エッセイ編 第93夜 ヴァレンタインデースペシャル
【あらすじ】
N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。
そして、達太の外見は、40歳にして徳川家康公にそっくりであった・・・。
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お久しぶりだねこんばんは。
ヴァレンタインデーの夜に、俺、達太が現れないわけが、ないだろう。
お待たせしたね。
ファン含め全員、俺の事を忘れてしまっているだろうから、
まずは自己紹介から。
俺は達太。40歳、会社員。
ヴァレンタインデーだから告白するが、俺にとっては、チョコはガムのようなもの。
ガムほどに腹に来ない。それがチョコレイト。
ヴァレンタインデーに告白・・・と聞くと「チョコはガムと同じ」と告白する様を連想するのは、俺だけじゃないだろう?
自己紹介を続けようか?
会社で何をしているかって?
出前をとっている。
出前の取りまとめ係?
バカ言っちゃいけない。自分の昼飯をとっているだけだ。
徒歩2分のところにある定食屋「紫竹苑」から、焼き肉丼や、味噌ラーメンなど、とっている。
「紫竹苑」
などという妖艶なネーミングだが、なに、簡単なからくり。新潟市には「紫竹」という地名がある。
紫竹にある盛りの良い定食屋、とにかく盛りがイイ、だから紫竹苑、とんちが効いているね。
だがまあ、それはもう宜しい。
自己紹介を進めようか。
俺はそうだね、40歳にしては頼りがいのある外見だ。
似ている偉人は、バッハ。音楽家だよ知っているかい。ムッチリとして堂々たるバッハだよ、俺は。
それに徳川家康公。だるだるで裕福。
40歳にしてその境地へ。光栄だ。
似ている有名人だと、高木ブー。
ほんじゃまかの石ちゃん。
藤岡弘が40㎏の増量に成功した感じでもあるね。
七福神でいうと、布袋尊。陽気だろ?
一般人で例えると、ジャムおじさん。
黒髪のジャムおじさん。
定食屋・紫竹苑に話を戻そうか。
きっと親父さんと奥さんは、俺のせいで揉めている。
「なんで徒歩2分なのに出前なんだ!」
「知らないわよ!」
「毎日毎日、焼き肉丼と味噌ラーメンと交互に、おかしいだろ!」
「知らないわよ!」
「特に味噌ラーメンだ!店で食った方が麺ものなんだから、いいだろう!徒歩2分だ!」
「知らないわよ!」
「40歳の青年?カカアのくせして浮かれてんじゃねえ!」
「40歳??あんた、何か勘違いしてるわね!あれが40なわけ、ないでしょう!味噌ラーメン半チャーハン行ってくるわよ、このヤキモチ妬きが!」
じゅてむ。俺は40さ、奥さん。
俺は夫婦の絆に亀裂を入れてしまっている。罪だ。
だが、俺は、動かずして食べる喜びを知っている。だから出前する、サブスクを始めたのは俺だぜ?なんなら定額ではなく都度払いで。
そして。俺は何度か満腹に酔いしれ、空の丼を引き上げに来た奥さんに、勢いで「大好きだよ」と声かけしている。むろん、焼き肉丼大好きの意味だ、他意は無い。
それはつまり、十分に間男というわけだ。
そんな色男の俺。
ファンを差し置いて、本来ならば日曜に必ず更新しているエッセイを、ここ半年、不定期に更新している。
出前は欠かしてないのに。
すまない。
言い訳としては。
役者の仕事が舞い込んだんだ。
しかも女の役。
それが舞い込み続けている。
布袋尊にそっくりなのに。弁財天に申し訳ない。
先日、それが千秋楽を迎えた。
やっとエッセイストに戻れたという訳だ。
だがその女役、なかなか面白かった。俺を完全に忘れてしまったファンの皆さんに、レポートさせてもらう。
その女、恋愛に行き詰っているのか「許せない男」について、親友に語る。
まあ。そんな女々しい芝居なのだが。
俺?
俺の、許せない男ぉ?
そうだね、俺は、女に平手打ちする男は、許せないね。
女を足蹴にする男は、もっと、許せないね。
女を跳び箱にする男?は体育の授業中なら許そうか。
体育祭も、ぎり許せるね。
サーカスも許そう。サーカスには金払ってでも許そう。
あと、牛丼を食っている俺に「一口ちょうだい」と言ってくる男、は許せないね。牛丼の味はわかっているはずだ、例え俺が特盛本日2杯目でも、許せないね。
それと、雪男、はやっぱり許せないね。
でも。なんで許せないかは、雪男に関してはハッキリ言えないね、
さすがUMA、指摘しづらいこと、この上ない。
とりとめもないヴァレンタインデーエッセイをすまないね。
すべての達太ファンに捧ぐよ、チョコレートよりも茶色のエッセイを、じゅて~む。
アムラーに寄せるなら「ジュテムラー」に、チョコより茶色のじゅて~むを。
村上春樹のファンクラブ・ハルキストに寄せるなら「タツハルキスト」に、チョコより茶色のじゅて~むを。
月間ムーの購読者に寄せるなら「じゅてムーミン」に、チョコより茶色のじゅて~むを。
差し上げましょう。
次回、俺のヴァレンタインデーの思い出特集。
母に「チョコなんかいらねえよババア!チョコ用意する暇あんなら晩飯トンカツにしろ!」と言ってしまった後悔。の念。
ハルカ先生からの「先生、いつか達太くんを小説にするわ」との愛の告白。
なるべく頻繁に巻き返すようにエッセイする。
本当に、頼もしい限りだ。じゅて~む読者に幸あれ。
じゅて~む
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