じゅて~む エッセイ編 第109夜
【あらすじ】
N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、
コント台本を担当している江尻晴子が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。
そして、達太の外見は、39歳にして、最盛期であり晩年の徳川家康公にそっくりであった・・・。
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じゅて~む。
俺の名前は達太。
ニワトリのトサカに、アジのフライと書いて、達太だ。
信じたかい。信じないかい。
それとも俺が漢字に弱いと信じたかい。
俺は39歳の会社員だ。
だが。火曜の夜に俺はエッセイストと化す。
華麗にエッセイストに転じる。
火曜の俺は、月曜までの、よくわからない骨から出たエキスがベースの、
具の無いスープを啜っていた俺とは大違いだ。
そんなもんは啜った覚えはないが、月曜の自分を卑下したく・・・。
火曜の俺に差を付けたく。
月曜の俺に底辺を歩ませるんだ、具の無い謎のスープを啜れ。頼んだ。
は?本当の、月曜の、俺?
はい。
牛丼を17時に食べ、(なんと退社と同時に。トリックを暴けよ?)
18時には麻婆麺と唐揚げ三粒ばかしを食べたかな。
そのうえで、謎のひもじいスープを啜ったな。
それは信じて欲しい。火曜に比べてパッとしない月曜の俺を表現だ。
俺は急いで、ベージュの布で体を包んだ自分を想像する。
俺はやせ細ってはいないから仏めいた雰囲気は纏えず、また、布も足りず。
腹の上にベージュのタオルケットを乗せて昼寝をしているように、見える。
だが、昼寝はさておき。可愛いかもしれないが。
俺は十分にみすぼらしい姿になったというわけだ。
では食事を再開だ。
月曜の19時の俺。牛丼、麻婆麺(&3粒)既に頂いているが、
手帳の来週のページを見て、驚く。
「7月23日?土用の丑!?」
「うなぎを牛丼と一緒に食う日だ、すき家的には。」
来週?いやでも、手帳に書いてある土曜の丑。
何故うな牛を食ってないんだ俺は。
腕の中にすら、うな牛が無い。
手帳のページは7月23日、土曜の丑であるというのに俺は、麻婆麺・・・。
俺はすき家に急ぐ。
(ついでに同じようなキャンペーンを行う松屋にも急ぐ。)
手帳の見たいページを見て、ふさわしい食事を頂く。
俺は正しい手段を人から教わったようだ。
俺は考案してないぜ?
明日からが楽しみだ。
手始めに明日は手帳の2月14日を開こうか。
そう、セントヴァレンタインデイ。
「なあ達太、お前チョコレート何個もらった?」
「うっせえ沢庵和尚!チョコなんかもらってたまるか、
腹いせにメンチカツ買い食いしてやるさ5個だ!」
を、17時にやる。10歳の俺だ。
そして19時30分。俺は25歳の2月14日の俺と化す。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
セントヴァレンタインデイ。俺は女に呼び出されたレストランには出向かず、
焼き肉店で女を待つ。前述は、その沈黙。
いつまで経っても女は現れない。
それは待ち合わせのレストランではないからだが、
俺は十分に傷つき、フラれた気分だ。
「ボイ。食べ放題をスタートしてくれ。
いや。2人分の勘定でいい。
ああ食べ放題、わかっているさ。
一人で二人分食いたいんだ。
ああ、食べ放題なら一名分の勘定で二人前食うことも可能。
だが、俺は、今夜、彼女にフラれてた気分で2人前味わいたいんだ」
おれはエッセイストでありロマンチストだな。
これはモテる。
メス薔薇たちよ、手帳の2月14日を開いてはいけない。
俺はデートをすっぽかす。焼き肉を食いたくて。
メス薔薇、か。
女性蔑視上等の言葉に聞こえてしまう。だろう。
それは「メス」の破壊力ではなく、「薔薇」が「豚バラ肉」の威力を持っているから。
幻のフリーペーパー「金肉新聞」、
お金とお肉は、だいたい皆大好きだから、皆に愛されたい一心で命名、そして発行された新聞。
もとはと言えば、俺はその新聞の、新聞小説の主人公だったんだぜ?
「メス薔薇」が時空を超え、読者に根付き、「メス薔薇」発言で針のむしろと成り果てた読者に、
俺は感謝を忘れない。庇いきれないが。
じゅて~む
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