じゅて~む エッセイ編 第85夜 「イタリアンダイエット③」












【あらすじ】


N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。


そして、達太の外見は、40歳にして高木ブー氏にそっくりであった・・・。


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俺は達太。40歳。


イタリア滞在中に40を迎えた。




なぜイタリアに?


ダイエットのためだ。


ペラペラだが具が乗っているダイエット食のピザの本場だからだ。




俺はまだ40歳というのに、高木ブーそっくりで、体内年齢は68歳だ。


だから、一応、ダイエットをしてみようというわけ。


そして、体内年齢68歳が恋をしてはならない・・・なんて決まりはないだろう?


体内が老人だって恋したいんだ。




イタリアにいれば、それは当然、俺はイタリア美女と恋に落ちてしまう。




「ボーノ、ボーノ」




俺は連呼しながらピザを食べる。


そんな俺を見て、クスクス笑っている女2人。




見逃してはいない。


だが気付いていないフリ。




俺はピザをおかずに、ライスを食べている。定食スタイルだ。もの珍しいのだろう。東洋の男の定食スタイル。




「もし。よろしければライスをプレゼントしましょう、か?」




「は?


 何言ってるの?ピザに、ライス?」




「冒険は、嫌い?」




女の視線に気付いていないフリなど、できるはずがないのだ。


店は狭い。


俺はつい、女2人に話しかけてしまった。


イタリアの風が俺にそうさせた。




俺は女2人のテーブルに、自分のライスを置く。




「ちょ、何するのよ!


 坊主頭の太っちょの東洋人!」




「エクスキューズ、ミ。


 このライス、一口頂くね。」




俺は、自分のライスを、勝手に彼女らのテーブルに置き、


そのライスを追いかけ、ごく自然に彼女らのテーブルに、つく。




そして、言いそびれていたが、俺は今、坊主頭だ。


イタリア男の色気を出そうと、額の生え際を後退させようと、毛をむしったが上手にいかず、赤く腫れ、


マルシェ内にある、朝7時からやっていそうな床屋に、10時に駆け込み、坊主にしてもらったのだ。




「あんたのライスでしょ、勝手にすれば?」




「ああ、じゃあ、さらにもう一口、頂くね。」




「・・・・。なんなのよ。」




俺は女2人の見守る中、ピザとライスを定食をかきこむように食べる。




「ごちそうさまでし、た!」




女2人の見守る中、俺はピザ定食を終える。


そしてエレガントに口元を拭いながら、ここからが本題。




「ねえ。


 君たち、一人?


 良かったら俺を、旨いピザを食わせる店に案内してくれないかな。」




「え。いつ?」




「もちろん、これから。」



「あたしたち、一人じゃないわ。」




しまった。


イタリアの風に見守られて、いつもは2人の女を同時に誘うなんてしない俺が、2人の女を同時に誘ってしまった。


女たちはカンカンだ。




「ねえ。ピザ、今食べてたよね。


 なんで、またピザの店、案内しなきゃいけないわけ?


からかってるの?」




面倒だ。


説明が面倒だ。


食い足りないからに決まっているだろう。


恋愛は、だから面倒だ。


イタリアの風、恐るべし。


はやくも三角関係に巻き込まれている。




恋愛小説のようになってきたな。




「ねえ、聞いてるの、


 ピザの食べ方、わかってないよね!」




じゅて~むに相応しい。


なんて色っぽい雰囲気なんだ。




「おい、そこのお前!


 あたしらこれからドルチェ食べるの!勝手に会計しないで!」




色っぽい展開だ。


ドルチェ?


勝手にしろ、色っぽいには違いない。




「うちら、まだここ居るから、


 次もピザ定楽しんでね!」




なんて少女漫画のようなんだ。


さすがの俺も、照れる。




じゅ、じゅ、じゅて~む


意味は、自分で家で、調べろ、バカ
















じゅて~む

【あらすじ】 N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、 架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。 そして、達太の外見は、39歳にして徳川家康公にそっくりであった・・・。

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